ノーベル賞に思うこと

 秋に入り、今年もノーベル賞の季節がやってきた。東工大 大隈栄誉教授 医学生理学賞 受賞おめでとうございます。
 
 ホットな話題をのせた新聞に大隈先生と尾崎玲於奈氏の対談があった。大隈先生は「私は、科学というものは人間の本質的な活動だと思っていて、知りたい分かりたいということを追求するのがサイエンスだと考えています」と述べておられた。やさしい言葉だけれど、本物に取り組んだ人でなければ言えない言葉だ。

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 最近お出会する機会を得たN教大のO名誉教授も、「研究とはこの世で起こることの真実に一歩迫るだけで、自然界の方が何でも知っている」という意のお話をしておられた。

 かつて暮らした街、サンフランシスコのUCSF(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)界隈では、ノーベル賞につながる自由闊達な空気が流れていた。プリオンのプルジナー教授、IPSの山中教授が研究にいそしまれた場所である。

 ここは医学校で基礎医学に優れている。研究者であった夫や、研究室でカラフルな実験道具をおもちゃにして遊ばせてもらった幼かった息子たちを通して、なんとなく私までが研究への憧れを育んだ。

 白状すると8月の私の発表の学会場への入りは少なかった。天と地ほどの違いがあるというか次元が全く違うのだが、どんな研究も萌芽の時は誰も見向きはしないと、大隈先生の越し方に勇気をもらった。

 先生は基礎研究のたいせつさを説き、日本の科学の将来へ警鐘をも鳴らしておられる。すぐに活用の期待される陽のあたる研究でなく、開始当初は「細胞のゴミため」と称され誰も見向きもしなかった研究が、今回のノーベル賞受賞につながったことがよくわかった。
 
220px-Nobelprize_Award_Ceremony_2010[1]

 さて、三都物語の大阪・奈良・京都へ出講した。いつもながらにレッスンは楽しい。ひっぱってきた参考文献に頼るより、論に軸を通し自分のものとした今、よりのびやかなレッスンの展開が可能になった。借り物でなく、自分で考え編み出したことってホントに頼りになるのだ。こんなちっぽけな持論でも、ノーベル賞をはじめとした研究のスピリットに、畏れ多いが針の先ほどでも迫れているだろうか。幸い大学院内ではあるが、「論叢」に掲載のチャンスをいただけたのでありがたいことだ。

 出講先の奈良のブーランジェリーアルションでお昼ごはんにした。う~ん、声楽が「演奏・教育・研究」の三位一体となり安定してきたような…

10月5日
プロフィール

Diva

Author:Diva
中野陽子

声楽家 ソプラノ歌手
山田耕筰の孫弟子
声楽の健康科学 研究者


相愛大学音楽学部
声楽科卒 芸術学士
・109才まで現役指導者
 故 嘉納愛子氏に師事


サンフランシスコ
コンサーバトリー
音楽院[4年制音大]
にて研鑽を積む


大阪教育大学大学院
教育学研究科
健康科学専攻
人間科学コース
発達人間学研究修了
修士(学術)


ハルカスを拠点として、マスメディア・デパート・大学関連講座の講師をつとめています


●読売新聞大阪本社・讀賣TVを運営母体とする文化センター講師


●ハルカス近鉄本店 文化サロン他 講師


●大阪健康福祉短期大学
健福ハルカス大学 講師


声楽を軸に、歌う日々やサンフランシスコ暮らしの懐古をエッセイ風に綴ります。

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