社会人大学院って楽しい!

ラグビーW杯 対アメリカ戦 勝利 
「スクラムはピアノとおなじでやればやるほど上手くなる」と
マルク・ダルマゾコーチの信念のもと、勇士たちの桜が花開いた。
残り10分、ラグビーボールに食らいつくあの執念はどうだ。


日本に良いウェーブがきている。
ノーベル賞の裏年の今年も、自然科学の2分野で受賞があいついだ。
医学・生理学賞の大村智・北里大特別栄誉教授が記憶に残る。 


夜間高校で教鞭をとりつつ、大学院に通った苦労人で、
修士論文を完成させたご苦労は想像に難くない。
単なるエリートではなく、ぐっと身近に感じた人は多かった。
偉業を成し遂げた人と比較してはあまりに僭越であるが、
その逆さま、私は昼間仕事をする夜間大学院生である。
私の大学院は昼間働く社会人のために存在する。

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院の後期が始まり、
前期スポーツ授業でご一緒だった
高校の体育教師でありラガーマンであるK先生とも
日本ラグビーの快勝の喜びを分かち合えた。
K先生も一日の業を成し終え
教室に滑り込みセーフで入室してくる社院生だ。


修論が追い込みの時期を迎える。
一日中続いたレッスンを終えて
授業に駆け込んだ統計学では2度泣いた。
深夜にあまりに難しくて。そして明け方。
空がしらじらと明け始める頃、声楽芸術という実態のないものが
「これでどうだ!」と意味ある統計学的数字になった。
ケースはそれぞれ違うが、研究に携わる誰もの心に残る記憶だ。


かくも厳しくシンドイと語られる社会人大学院ではある。
本来の形態である柏原キャンパスの院生が言うには、
「ここは昼間の千倍もキビシイっす!」


しかし、実のところ、
楽しく面白いことの方が社院生活には多い。
よく言われるのが異業種交流の場ということ。これは本当だ。
ウチの健康科学専攻にも、理系の研究テーマを抱える
役所のお偉いさん・看護大学の教員・府の理学療法士・
民間のスポーツドクターなど あらゆる人材が集まる。
同じ授業で会話を交わし情報交換をする。世界が新鮮になる。


異業種の中でも異色の「ソプラノ歌手」という私ですら 
M2ともなれば先輩の立場となり、
後輩(とはいっても立派に何らかの地位に就く人たち)に
授業や修士論文のアドヴァイスをしてさしあげられる。
私の先輩方も、異なる社会的役割を背負いつつ、
みな「健康科学」という筋を一本通して巣立って行かれた。
夜学ならではの学究の土壌である。


また、研究を進めるうち脳の中の思考回路の接続が変わり、
ものごとのとらえ方やアプローチが変化した。
今までと同じ環境にありながら住む宇宙が全く異なってくるのだ。

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私事(わたくしごと)であるが、
教授はのびのび課題に取り組めるよう導いて下さった。
さすが精神科医、
ご指導を終えて研究室を後にする時、心は晴れ晴れとし、
良きカウンセリングを受けたような気分ですらあった。


当たり前だ。
頭と胸の内のモヤモヤとした「声楽の芸術性」というテーマが
科学の手法によってクリアに交通整理されてゆくのだもの、
展望が開けない訳がない。芸術畑の人間が、
社会人大学院の人間科学コースに身を置いたことの意義は
ことのほか大きいと思っている。


音楽のチェリストの教授も
「ここまでくれば、あとは論文を書ききることです」と
背中を押して下さった。
先輩のリコーダー専門のO氏と一緒に
「よっしゃー、やろうぜ♪」という気分になっている。
あと ひと山ふた山あるだろうけれど、
楽しみながら修論完成までを走り抜けようと思う。

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名残惜しいけれど、
冷たくなった夜風の中を家路に就くのもあとわずかだ。
(ただし、修論の査読で審査に通ればね)
プロフィール

Diva

Author:Diva
中野陽子

声楽家 ソプラノ歌手
山田耕筰の孫弟子
声楽の健康科学 研究者


相愛大学音楽学部
声楽科卒 芸術学士
・109才まで現役指導者
 故 嘉納愛子氏に師事


サンフランシスコ
コンサーバトリー
音楽院[4年制音大]
にて研鑽を積む


大阪教育大学大学院
教育学研究科
健康科学専攻
人間科学コース
発達人間学研究修了
修士(学術)


ハルカスを拠点として、マスメディア・デパート・大学関連講座の講師をつとめています


●読売新聞大阪本社・讀賣TVを運営母体とする文化センター講師


●ハルカス近鉄本店 文化サロン他 講師


●大阪健康福祉短期大学
健福ハルカス大学 講師


声楽を軸に、歌う日々やサンフランシスコ暮らしの懐古をエッセイ風に綴ります。

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