クラシックな世界

京都に行ってきました。かねてより京都市学校歴史博物館に寄贈していた祖母の歴史資料に加え、新たに見つかった高等女学校時代の卒業証書をお渡しするためです。

この歴史館には、古いスタインウェイのグランドピアノが展示されていて、年代物のピアノに往時の女学生たちの歌声が偲ばれます。

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学芸員の和崎先生は「この世に現存する唯一の資料です」と、
持参の卒業証書を前回と同様、丁重に受け取り喜んで下さいました。
収まるべきところに、祖母の女学生時代の思い出が落ち着きました。

一仕事終えた気持ちで京の四条を散策しました。高瀬川沿いの近場にもうひとつ、訪れてみたい所があったのです。その昔、京都の学者や芸術家が集ったサロン、国の登録文化財フランソア喫茶室です。

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味わったコーヒーはえも言えないほど香り深く、マカロンは田舎風でザクザクと大きく丸かった。古き良き時代、このサロンで、文化人や学生達は深い思索や思想そして芸術を自由に語らったのだそうです。

喫茶室を出ると、暮れなずんだ空は菫色。大学院の音楽の授業に間に合うかな~♪ おけいはん(京阪電車)に飛び乗り一路 学校へ。古びた音楽舎に着くと、驚いたことにチェロの大木教授とピアノの田中名誉教授のレクチャー付き演奏が始まっていました。なんという幸運!

白鳥(サンサーンス)
シチリアーノ(フォーレ)
鳥の歌(カザルス)
ヴォカリーゼ(ラフマニノフ)
夢のあとに(フォーレ)
アヴェ・マリア(シューベルト)


たった3人の学生のために奏でられた先生方の渾身の演奏はいったいなんなんだろう… 何よりご自身たちが真剣に音楽で対話を楽しんでいらっしゃる、そんな風な、チェロとピアノの共演でした。
「ふと思い付いてね、田中先生に声かけました」と 気負いなく言う大木教授の隣で、田中名誉教授はニコニコと謙虚にたたずんでおられます。『本物』とはこういうことを言うのでした。

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(舞台で演奏するチェリスト・大木教授)

音楽の世界といい、京都の歴史といい、芸術や学術の心を育む素敵な一日となりました。日々をていねいに紡ぐことの意味をあらためて知った思いです。

これには、まだ後日談があって、つぎの授業では「アヴェマリア」を歌わせて頂き、演奏表現のミニレッスンが教材となりました。そしてこれらの余韻が先の「アヴェマリア」の舞台につながったのです。

プロフィール

Diva

Author:Diva
中野陽子

声楽家 ソプラノ歌手
山田耕筰の孫弟子
声楽の健康科学 研究者


相愛大学音楽学部
声楽科卒 芸術学士
・109才まで現役指導者
 故 嘉納愛子氏に師事


サンフランシスコ
コンサーバトリー
音楽院[4年制音大]
にて研鑽を積む


大阪教育大学大学院
教育学研究科
健康科学専攻
人間科学コース
発達人間学研究修了
修士(学術)


ハルカスを拠点として、マスメディア・デパート・大学関連講座の講師をつとめています


●読売新聞大阪本社・讀賣TVを運営母体とする文化センター講師


●ハルカス近鉄本店 文化サロン他 講師


●大阪健康福祉短期大学
健福ハルカス大学 講師


声楽を軸に、歌う日々やサンフランシスコ暮らしの懐古をエッセイ風に綴ります。

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