万葉歌…言葉の宝石箱

秋の田の 穂の上に霧らふ 朝霞 いつへの方に 我が恋止まむ
                巻二(八十八) 磐之媛皇后

「秋の田の稲穂の上にかかる朝霞はいつしか晴れるのに、
私の恋心は消えてくれそうにないわ」

霧らふ …『キラふ』とよみます。
音の響きが、黄金の稲穂の波にかかる霧を想像させます。
上代語で霧や霞が一面に立ちこめる意味だそうです。

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作者とされる磐之媛は、大和朝廷一の臣下 葛城襲津彦の娘で、民間から嫁いだ皇后の第一号。夫の仁徳天皇といえば、民の釜戸(かまど)に煙が昇っていないのを見て、税を免除した良き政治で有名です。

磐之媛の里は葛城高宮のあたりです。太古の都、ハイテクタウンとも称される幻の王朝も今は昔…奈良の御所は、現在のどかな田園広がる里山になりました。

この地に、私はルーツを持ちます。この万葉歌にDNAの記憶が呼び覚まされる気がして、田を渡る風のにおいや黄金の稲穂の波の光景が浮かんでくるのです。朝陽に霧らう朝霞とはまたなんと美しい。

祖母の形見で、万葉の第一人者 犬養孝先生(阪大名誉教授)の著書を持っています。犬養節と称された独特の節回しが一世風靡したのは、記憶に懐かしいところ。文学的な文字からではなく声楽的な音の響きから、私は「霧らふ」という言葉に、陽の光にキラキラしている朝靄(あさもや)朝霧(あさぎり)朝霞(あさがすみ)のイメージを抱きます。

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古事記に描かれる磐之媛は「足もあがかに(じだんだふんで)」と強い自我を持つ嫉妬深い女性です。けれど、万葉集 第二巻 の冒頭を飾るこんな歌をよんだのですから、魅力的な方に違いないのでしょうね。

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こちらに万葉集の番組をリンクしました  ☆☆☆
もうひとつ「秋の田の稲穂」の風景をリンクさせて頂きます。ブログ主さま、お許しももらわずごめんなさいね、でもきっと「どうぞ!」と快諾して下さるはず…  ☆☆☆

前回 記述した西洋文化、そして今回の日本文化…
和洋の融合で演奏に深みが出ます。それを私は【 和日西美の調べ 】と名づけています。「わびさびのしらべ」と読むオリジナル造語は、住んでいる堺の利休の詫寂にもかけています。和の日和(ひより)に 西洋の美のメロディー。日本文化の裏打ちを持ちクラシックやオペラを奏でようと心しています。

プロフィール

Diva

Author:Diva
中野陽子

声楽家 ソプラノ歌手
声楽の健康科学 研究者


大阪教育大学大学院
教育学研究科
健康科学専攻
人間科学コース
発達人間学研究修了
修士(学術)


相愛大学音楽学部
声楽科卒 芸術学士
・山田耕筰の孫弟子
・声楽の恩師は
 109才まで現役指導を
 貫いた(故)嘉納愛子氏


サンフランシスコ
コンサーバトリー
音楽院(4年制音大)
にて研鑽を積む


ハルカス・サロン講師


大阪健康福祉短期大学
アバンスペース
健福興隆ハルカス大学
講座 講師

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