君よ知るや南の国

フェスティバル in 太閤園で、声楽やボイストレーニングのメンバーが歌います。演奏曲目は次の4曲です。今年は京都・和歌山の同志も加わって音楽の輪が広がりました。舞台はダイヤモンドホールです。


ホ フ マ ン の 舟 歌 / ソプラノ 二重唱
パ ッ ヘ ル ベ ル の カ ノ ン / 声楽アンサンブル
サンタルチア&オーソレミオ / 合     唱


私は演目のプロデュースで、みなさんの声磨きと声楽指導に大忙し。パッヘルベルは以前からアンサンブルしたかった曲なので、珍しく、三声のメゾ・ソプラノのパートを担当します。


大正浪漫の良き香ただよう太閤園。古き良き時代を思わせる迎賓館の「大人のお遊び的音楽会」も恒例となりました。暑ーい季節の涼しい風物詩 … ヒンヤリ冷えたエコ・スポットで納涼を


この音楽会で「 君よ知るや南の国 」を演奏したことがありました。CONNAIS TU LE PAYSとメゾソプラノによってしみじみと歌われるメロディーは、オペラ『 ミニヨン 』のアリアです。原作はゲーテ。明治22年、森鴎外が訳詩集 [於母影] でゲーテの詩を翻訳しました。


レモンの木は花咲き くらき林の中に
こがね色したる柑子は 枝もたわわに実り
青き晴れたる空より しづやかに風吹き
ミルテの木はしづかに ラウレルの木は高く
雲にそびえて立てる国や 彼方へ
君とともに ゆかまし (森鴎外 : 訳)



歌劇中、誘拐され旅芸人の一座にいる少女ミニョンが 故郷を偲んで歌います。抒情的な旋律はイタリアの太陽の影を映し、オーケストラの紡ぎ出す音が小さな宇宙をつくる、そんな美しいアリアです。曲に身をゆだねて歌うと、のどかな南欧の風景が広がってくるようです。


鴎外の翻訳中、気になる木が2本。調べてみました。


ラウレルとは月桂樹。英語でベイリーフ/ローレル、フランス語ではローリエ。香辛料として用いられます。学名のlaurusはラテン語の「誉め讃える」の意味を持ち、勝者の冠とされました。  


ミルテとは天人花。祝いの木で、この花輪は花嫁を飾る冠です。花冠は、後にティアラの原型となりました。いつも遠い広島からコメントを残して下さる ロココたえ様 のブログにこの花の紹介があります。素適な花の写真をご覧くださいね   ミルテの花  


その他、鴎外には「オルフェウスとエウリディーチェ」という日本人が初めて演じたオペラの対訳があります。鴎外のオペラ本があるとは嬉しくなってしまいます。明治の文豪の訳ですから、歌詞はミニヨン同様、きっと古式ゆかしいことでしょう。


調べているうちに、何時か何処かでもう一回「君よ知るや南の国」を歌いたくなってしまいました。そうそう『 HANARART奈良 』の出演を初秋に控えているのでした。美しいピアノとの饗宴をお聴き頂ければ幸い…プログラムの企画が楽しみになって参りました。会場はアリアの歌詞にあるような鄙びた田舎、木に胡蝶舞う緑深い隠れ里にあるんです。(参考:昨年度のハナラート)


鴎外と言えばその娘 森茉莉は精神の貴族。古い洋館に流れる空気のような彼女の文章は、太閤園にお似合いです。森茉莉の文庫本を鞄にしのばせて音楽会にゆきましょか。


ステージを終えたら さて お茶会。笑いさざめくなごやかなひとときの お楽しみ。今年も 演奏の機会と健康に恵まれたことが有難くて、音楽でつながった新しい ご縁に感謝しています

【 真夏にヒンヤリ…太閤園フェスティバル 2013 ご案内 】 
  8/10(土)10:00~17:00  8/11(日)10:00~16:00


プロフィール

Diva

Author:Diva
中野陽子

声楽家 ソプラノ歌手
声楽の健康科学 研究者


大阪教育大学大学院
教育学研究科
健康科学専攻
人間科学コース
発達人間学研究修了
修士(学術)


相愛大学音楽学部
声楽科卒 芸術学士
・山田耕筰の孫弟子
・声楽の恩師は
 109才まで現役指導を
 貫いた(故)嘉納愛子氏


サンフランシスコ
コンサーバトリー
音楽院(4年制音大)
にて研鑽を積む


ハルカス・サロン講師


大阪健康福祉短期大学
アバンスペース
健福興隆ハルカス大学
講座 講師

リンク
カレンダー
05 | 2013/06 | 07
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
月別アーカイブ
カテゴリ