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ホリスティックと声楽の演奏

1 著書:シンプル声楽法

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 19号20号と続いた台風一過、堺もたいへんな暴風が吹き荒れました。台風の通り道になった地域は大丈夫でしたでしょうか。まだ予断を許さない所お住まいの方々は、どうぞおん身たいせつにお過ごしくださいませ。


 さて… まだ院生だった頃、精神科医でもある指導教授が言ってくださったことがあります。「あなたのやりたい研究は、ホリスティックでしょう?」と。論文を書いている時は余裕が無かったので、これはまだ「おあずけ」でした。


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 声楽は身体と精神が一体。全身全霊で音楽を奏でる芸術観は、ホリスティックの概念に近いと思うのです。まだ音大生で先生のお宅へホームレッスンに通ってた頃、熱があって喉が痛くてすごい風邪ひいていた際も、先生の声楽レッスンでケロリと治ったことがありました。先生にもうつらなかった。熱のためレッスンを休んでいたら、ホントに寝込んでしまってたことでしょう。なんなんでしょう これって。やっぱり不思議だと思います。


 本当の声楽演奏がわかりかけたのは、先生宅のレッスンで、スポーツで言う「ゾーン」を体感してからでした。声楽がものになってきたあたりから、「ゾーン」には意志の力ですぐ入れるようになりました。幼い頃、母は情操を育てるため、幾度となく私を音楽ホールに連れて行ったのですが、演奏の空気の変わり目はよく感じていました。あれは、ピアニストがゾーンに入っていってたのですね。


 「無我の境地」「天から繰られる」「宇宙と繋がる」「無意識の世界」など、この状態をいう言葉はたくさんあります。けど、怪しげな「スピリチュアル」系や「ヒーラー」の話とちがいますよ。全身全霊で身体を鳴らして芸術を表現する声楽は、心身を律して宇宙の摂理に限りなく沿うことだと私は思っています。渾身の演奏は、健康体の方に舵をきる作用ってホントに働くのかもしれない。


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【ホリスティックの概念】

 ホリスティック(Holistic)という言葉は、ギリシャ語で「全体性」を意味する「ホロス(holos)」を語源としています。これから派生した言葉に、whole(全体)、heal(癒す)、health(健康)などがあり、健康-health-という言葉自体がもともと「全体」に根ざしています。また、「ホーリズム(holism)的な」は「全体論」という哲学用語です。


 臓器や細胞を部分に分けて研究し、それを総合したとしても、人間全体をとらえることはできません。ホーリズムとは「全体とは部分の総和以上のなにか」であり、一固体の孤立ではなく、環境すべてと繋がっているという考えです。


 人間の「からだ」は、健康や病気に関係なく全体的にとらえる必要があります。「からだ」とは、肉体・精神・心・霊魂の総体であり、人間そのものを指します。健康や健康破綻としての病気について考えるということは、人間について考えるということです。


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(上の図はホリスティック専門のHPからお借りしました)


ホリスティックと、声楽の無限のスキル(声の出し方・息の吸い方・お腹の支え・共鳴・子音と母音・口の開け方・曲の解釈・表現の仕方・芸術性etc.)、ふたつの関連付けを分析・解析してみたいものです。


待てば海路の日和あり

 ちょっと久しぶり、著書シンプル声楽法の近況報告です。


 院で研究を始めたころの夢は、調査と解析の結果から抽出した有効なレッスン法を、誰もがカンタンに取り組めるメソッドにすることでした。このメソッド本が、大学の図書館の蔵書となればいいなというのは、夢のまた夢でした。


 けれど夢は実現するもの。教育大学の図書館に今、置かれています。これで、教員を目指す学生たちの声づくりに役立てたいという希望も叶いました。学校の先生はとかく声をよく使います。音楽では歌も教えなければなりません。喉を酷使しないためにも、良い発声を目指すこの本が参考になればと思うのです。一般の方々もキャンパスでお目通し頂くことが可能になりました。

→ 大阪教育大学 図書館 (柏原キャンパス)


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 また、堺市の図書館でも取り扱っていただけたらと望んでいました。論文への助言をいただいたご縁から、こちらの方でも蔵書となることが実現しました。我が家の近くの図書館ですが、ここでシヌほど論文をまとめていたので感慨ひとしおです。


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 どちらも、アプローチしたのを忘れるくらい、配架されるまでに長い月日がかかりました。内容の検討や入手に時間を要したのでしょう。どちらも審査に通ってお墨付ももらえ、本が公のものとなりました。


 さらに、大学の図書館の蔵書となったことから、論文のウェブサイトで、書いた論文の参考文献として紹介されています。

→ CiNii図書


 ハデでなく「重版出来!」なんてバカスカ売れる本ではないですが、論立てして積み上げた根拠(エビデンス)をもって超カンタンに要約したものが、ジワジワ公共の機関に浸透してゆきます。認められるところで認められ、本がその役目を果たす…なんだか、レッスン指導や執筆の日々が報われた思いです。

 

知の森に出かけよう♪

大学の一般向け講座を、ふたつお知らせいたします。


 健康福祉短期大学「ハルカス大学」では、音楽関連の講座があり、講師の清水氏と、元学長で奈良教育大学名誉教授でもある岡本定男先生の対談が予定されています。私も歌唱で出演します。世界的に活躍される藤本文朗氏の「ベトちゃんドクちゃんと世界平和」のお話もあります。


 大阪教育大学大学の一般向け講座では、山田教授が生涯学習について話します。「自分の望む生涯をアクティブに全うするために」という興味深い内容です。こちらは、講座後に現役院生への支援の時間がもうけられ、私はアドバイザーとして参加します。


 キャンパスでブラッシュアップしましょう。きっと良い刺激がありますよ!詳細は下記の通り。チラシが見えにくくてごめんなさい。文字またはHPへのリンクをご覧下さいね。


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健康福祉短期大学 ハルカス大学講座

5月6日(日)13:00~17:00

ハルカス23F キャンパスフロア

第1部 講師 清水香織(奈良教育大学付属高校 音楽講師)

 今、あなたと共に紡ぐ音語り

第2部 講師 藤本文朗(滋賀大学・健福短大 名誉教授)

 ベトちゃんドクちゃんと世界平和

※参加費2000円 申込…06-6621-3270[留守電に入れて下さい]


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大阪教育大学 公開講座 

5月12日(土) 11月10日(土) 13:00~15:00

天王寺キャンパス 

詳しくはこちらへ→大学HP

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こちらのサロン講座の方もよろしく♪

著書「シンプル声楽法」を教科書に使っています。


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問い合わせは近鉄サロンまで。


1 シンプル声楽法


花は咲く・。・。・

東日本大震災から7年…

「花は咲く」をフィギュアの羽生クンが氷上で舞っている。



「河津桜」も早春の近所の公園で一足早く咲き始めた。


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院を終え、謝恩会で「花は咲く」を歌って早くも2年。

今年も投稿した論が冊子となって送られてきた。

「発達人間学論叢」としては2度目の掲載となる。

前回 言及できず宿題であった課題がクリアできたように思う。


阪神淡路大震災でガレキに埋もれるという究極の状況で

命の灯を燈し続けた「赤とんぼ」。今回は、

この歌と生命力の関連の考察 及び 実践報告である。


歌が生命を救ったとは単純に言わない。

しかし、ここから読み取った考察を

心身健やか維持に活かすことは、

今ある自分の役割ではないかと考えたのだ。


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編集後記では「今回の3件はいずれも、

自分に関わりのあることとしての人間をテーマとした、

発達人間学らしい論考だと思います」とまとめてくださった。

拙い内容ではあったが、報われた思いだ。


著書は参考文献として末尾に載せた。


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シンプル声楽法

(↑クリックしてね、出版社の編集者も阪神淡路大震災では被災された)


花は咲く…出講の日の花屋の店先では

スイートピーや水仙が咲き誇っていた。春はすぐそこ…。


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冬季オリンピックの終わった後に…

 冬季オリンピックの聖火台に燈された灯が消えた。競技を終えた選手たちの笑顔が輝く。メダリストたちの言葉ひとつひとつに、今の自分自身のあり方が問われる…そんなオリンピックだった。


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 小平奈緒選手の「氷と対話」は、かつてフィギュアスケート部員でからだを楽器とする声楽の音大生だった私には、実感が伴う言葉だった。


 選手の活躍もさることながら、もうひとつ、解説者や現地リポーターとしてかつて、活躍した選手たちが元気な姿を見せてくれたのは嬉しいことだった。極限に挑んだからこそ語れる言葉の数々は、スッと腑に落ちる。


 あの長野で、世界一美しい飛行と言われたジャンプの船木和喜さん。今回は現地リポートで活躍していた。昔は寡黙で近寄りがたい存在だったけど、過ぎた年月が彼を、親しみやすく気さくな人柄に変えていた。


 同じく長野で孤高を貫いたロケットスタートの金メダリスト清水宏保さん。分かりやすい解説が評判を呼んで人気急上昇だ。スピードスケートの見どころと共に、金メダルをズバリ言い当てていた。


 私は、声楽の本を書く時、清水さんの著書を参考文献にした。彼は、現役時代、身長のハンディを補うために、横隔膜あたりの大腰筋からつま先までを長い足と捉えていたそうだ(シンプル声楽法:P65)。自分のからだへの感覚を研ぎ澄ます者の、自分のからだの使い方に、声楽と共通するところがあった。


1 シンプル声楽法


 2014年末の「第九」を最後に鮮やかに引退していったフィギュアスケーター町田樹さんも、今回は、冷静な研究者の分析を交えながら解説者として活躍した。話しぶりからは、突然の引退宣言通りの、今や立派に研究者として活躍している彼の様子がよく伝わってきた。


 清水さんは弘前大学、町田さんは早稲田大学、共に大学院の博士課程で専門分野の研究を進めておられる。私自身 声楽家なので感じることだが、スポーツ選手や演奏家は、からだを使って伝達する手段があるため、ロジカルに言葉で説明するのが苦手だ。けれど、お二人は、感覚的にだけでなく、競技者の実体験に基づいた研究者としての冷静な分析と解説で、競技を分かりやすく伝えておられた。話す言葉のはしばしに表れる研究者としての片鱗は、私自身、論文や著書を執筆して解るようになったことだ。


 かつてのクロスカントリーのキングオブスキー・萩原さんは、今回の解説で、競技人生の終わった後に続く豊かな人生の展開に言及しておられた。そのとおりだ。その意味でも、解説や現地リポートに見るメダリストたちのその後の成長が嬉しかった。


 高橋大輔は依然としてバンクーバーの頃のままだ。解説は早口だし、口元も話の内容もほどけてしまう。けど、大ちゃんとして皆に愛されてるから、まっ、いいか。織田クンはさすがだ。最後に…トリノで「トゥーランドット」を舞った金メダリストの荒川静香さん。いつも可能性に触れて愛ある解説をしてくれるから大好きだ


プロフィール

Diva

Author:Diva
中野陽子

声楽家 ソプラノ歌手
山田耕筰の孫弟子
声楽の健康科学 研究者


相愛大学音楽学部
声楽科卒 芸術学士
・109才まで現役指導者
 故 嘉納愛子氏に師事


夫のカリフォルニア大学
サンフランシスコ医学校
(UCSF)赴任に伴い
家族ぐるみ渡米
当 英語学校に学ぶ


サンフランシスコ
コンサーバトリー
音楽院[4年制音大]
にて研鑽を積む


大阪教育大学大学院
教育学研究科
健康科学専攻
人間科学コース
発達人間学研究修了
修士(学術)



●関西大学 オープンカレッジ 梅田みらいず カルチャーリンク講師
●大阪健康福祉短期大学
ハルカス講座 講師
をつとめた。

現在、
●ハルカス近鉄本店  文化サロン他 講師
●読売新聞大阪本社・ 讀賣TVを運営母体とする文化センター講師


混声合唱団「陽」初代ボイストレーナー。時に、
灘校 保護者コーラス隊 コレぺティ


声楽の日々をエッセイ風に綴ります。

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